2016年01月22日

無印良品のタグツール(防犯ブザー)を森林内で使ってみました その2

前回に続きまして、森林内で無印良品のタグツール「防犯ブザー」を使ってみた結果です。

まずは間近で聞くとこんな感じでした。この動画は前回もご紹介しました。よく聞こえますね、もちろん。


続いて、約10m離れてみました。まだよく聞こえています。
20160114無印良品防犯ブザー_10m_fig.jpg



さらに約10m離れて、防犯ブザーから約20mの地点です。
ブザーがどこにあるかはさっぱり見えませんが、音はよく聞こえています。
20160114無印良品防犯ブザー_20m_fig.jpg



さらに離れて、防犯ブザーから約30mの地点です。
ここでもよく聞こえています。
20160114無印良品防犯ブザー_30m_fig.jpg



さらに離れて、防犯ブザーから約40mの地点です。
ここでもよく聞こえています。
20160114無印良品防犯ブザー_40m_fig.jpg



さらに離れて、防犯ブザーから約50mの地点です。
ここでもよく聞こえています。
20160114無印良品防犯ブザー_50m_fig.jpg



もう巻尺をいっぱいまで出してしまいました。
そこで、ちょっと方向が変わってしまいますが、一気に約75mまで離れてみました。
20160114無印良品防犯ブザー_75m_fig.jpg



動画では雑音で何も聞こえませんね。現場ではかすかに聞こえはしましたが…これで「どこにいるかわかってくれ」というのは無理そうです。

最後に約85mまで離れてみると、動画ではさっぱりわかりませんし、現場でも「鳴っていることをあらかじめ知っていれば聞こえる」というレベルでした。
20160114無印良品防犯ブザー_85m_fig.jpg



同じ小班とか、割と近くで一緒に仕事をしている人には聞こえるでしょう。
しかし、そうではなくて、新たに外部から自分を探しに来た人に自分の居場所を伝えられるかどうかと言えば、難しいか運がよければ伝わるかといったところでしょうか。

まずは演習林の入り口に地図を入れた看板を立て、入林時に、そこに「今日は誰々がここで仕事しています」と印を付けられるようにしようかと思っているところです。

最後に…念のために書いておきますが、製品に文句を付けているわけじゃないですよ。元々こんな使い方をするための製品ではありません(町中ではかなり聞こえると思います)。また、個人的に同社の製品は気に入って個人的によく使っていますしね。


演習林に勝手に入るのは止めましょう。何かあっても見つけてもらえないかもしれません。携帯電話の電波が入るところは限られています。また、危険な作業をしている場合もあります。もちろん注意はしていますが、思わぬところに人がいると非常に驚きますし、危ないこともあります。


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2016年01月15日

無印良品のタグツール(防犯ブザー)を森林内で使ってみました その1

無印良品は、行くとついついあれこれ買ってしまう危険な場所…そんな無印良品には「タグツール」というものがあることを、最近知りました。そして買っちゃいました…(私費です)

タグツールは、一般の方からアイディアを募って、そのうちいくつかを製品化するプロジェクトだそうです。開発段階などの様子もウェブサイトで紹介していて、おもしろいです。

■無印良品 タグツール
http://idea.muji.net/project/tagtools

そのタグツールの中に防犯ブザーがあります。今回はそのタグツールを森林内で使ってみました。怪我など何かあった時などに、自分の居場所を知らせるのに使えないかなと思いまして。
雪山で遭難した時に使われるアバランチ・ビーコンは数万円もしますが(本当はこれがあるといいんでしょうけど)、このタグツールの防犯ブザーでしたら、ブザーが1500円くらい、タグが300円くらいですし。

さて、その防犯ブザーはこんなものです。

■無印良品 タグツール 防犯ブザー
http://www.muji.net/store/cmdty/detail/4549337494701?searchno=1

(表面)

20160114無印良品防犯ブザー_01.jpg


(裏面)
蓋に付いている(他の4本より少し大きい)ネジを回して蓋を開け、電池を入れます。

20160114無印良品防犯ブザー_02.jpg


タグはこんな感じ。

20160114無印良品防犯ブザー_03.jpg


ブザーをタグに入れるとこんな感じ。なかなかかわいいです。温湿度計とかも欲しくなって来た。いかん、いかん。
20160114無印良品防犯ブザー_04.jpg


さて、このブザーを持って約50年生のスギ人工林に入りました。
ブザーを適当な木の幹にぶら下げます。
20160114無印良品防犯ブザー_0m.jpg


ちなみに…これ、休憩時間に大急ぎで試しましたので、ちゃんとした試験では全然、全くないです。念のため。

さて、鳴らしてみましょう。間近では、もちろんよく聞こえます。


これが離れるにつれ、どう聞こえるのでしょうか。結果はまた次回に。


冬に三瓶演習林周辺へお出かけになる場合、例えばこちらで道路の状況を画像で見ることができますよ。気をつけてお出かけください。
■島根県 道路カメラ情報 http://www3.pref.shimane.jp/roadi/

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2016年01月06日

門松にも使われるナンテンについて

明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。

さて、ナンテンについて、当演習林の元・技術補佐員である和田慎氏から寄稿いただきましたので、ご紹介します。

−−−−−

 謹賀新年
 本年も宜しくお願いいたします。

  お正月、松江城へ行ってみました。本丸御門に置かれている門松がとても豪華でした。
門松01.jpg

門松02.jpg


 松江歴史館の門松もきれいに飾られていました。
門松03.jpg


 特にセンリョウ、マンリョウ、ナンテンの赤が印象的でした。そこでナンテンについてちょっと調べてみました。

 ナンテン(メギ科ナンテン属の常緑低木)は日本、中国中央部に野生種もあるのが知られていますが、日本ではほとんどが庭木として栽培されています。
ナンテン 01.jpg

ナンテン 02.jpg

 
 平安時代の歌人藤原定家の「明月記」(1180年-1235年)にも栽培の記録があるそうです。(「週刊朝日百科 植物の世界」94 G P.314)

 姿が美しいことに加え、「難を転じる」めでたい木とされていたようです。特にナンテンを家の周りに植えると火災から逃れられるとして、庭木として広まったようです。戦国時代の武将は縁起を担ぎ鎧櫃(よろいびつ=鎧を運ぶときの箱)の中にナンテンの葉を添えていたと言われています。

 ナンテンの実にはアルカロイドであるドメスティンが含まれ、民間で喘息、百日咳などの鎮咳薬として使われていたそうです。(平凡社「世界大百科」ナンテン項 )
 今でもナンテンの名を冠したのど飴が売られていますね。

 沖村義人著 「樹木の島根方言」(1988) によりますと、旧八束郡や大田市では、ナンテンで小さな瓢箪型のものを作り、麻疹が軽くなるようにと子どもの体につけさせていたようです。
 また、一畑薬師では、中風予防の為にナンテンの箸や杯を売っていたとのこと。これも樹皮にアルカロイドが含まれていたことに拠るそうです。(同書 P.132)

 山陰地方の古民家は便所が別棟になっていますが、手水鉢のそばにナンテンが植えてあり、水が無いときはナンテンの葉で手を揉む習慣があったそうです。 (高齢者からの伝聞)
 おせち料理や赤飯の入った重箱、鯛の塩焼きなど魚料理にナンテンの葉を添えるのも、アルカロイドの抗菌作用に期待するからなのでしょう。


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